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近年の医学界(現代医学)では、「EBM」(Evidence Based Medicine)すなわち、「科学的根拠に基ずいた治療法を選択しよう」と言う考え方に注目しています。この流れは社会全体に影響を与え、現実私たち一般市民の意識にも染み着いているように思います。私は、この考え方は確かに大切ですが万人には適用しないのではないだろうか?と、考えています。
例えば、風邪の方を1万人集め「葛根湯」を処方したところ、30%の人にしか効果がなかった。と言う研究がありました。従って、葛根湯は「風邪に効かない」と言うのが科学的根拠(エヴィデンス)です。
だが、見方を変えると、他の70%の方には葛根湯以外のもので効いたかもしれません。70%方、それぞれに異なった処方(治療法)を試みたら、結果は明らかに異なったでしょう。
「この薬は何%の人に効果があったからこの薬は効く。だからこの症状の方には皆この薬。」と、EBMに基ずく対症療法で決定してしまうのは、少々乱暴ではないでしょうか?
同じく、昨今の健康ブームにのって健康番組や健康雑誌が数多くあります。メディアの影響と言うのは大変真実味があり、あたかも効果があるのではないかと思ってしまいます。確かにこれらの情報は、数値上では間違いはありませんが、人それぞれ十人十色と言うように、考え方も違えばライフスタイルも違います。そうなると当然ながら、お身体の状態も一人一人違うわけですので何とも複雑な心境を覚えます。
東洋医学の考えで「同病異治、異病同治」と言う考え方があります。つまり、「同じ病気でも、個々の患者さんの状態を診て、皆異なる治療を施す(治療法を変えていく)。又、異なる病気でも、同じ治療方法を施すこともある。」と言うものです。
この東洋医学の思想と同様に、個々の患者さんの、「体質、生活史、生活環境など」を視野に入れながら治療を進めていくと言う考えが,「NBM」(Narrative Based Medicine)と呼ばれるものです。「科学的根拠も大切だけれども、患者さん一人一人を診ることも大切です。」と言う考え方なのです。
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